2025年01月29日
青陵中(武雄高校)は良い学校か?①
2025年1月28日更新
「お子さん次第です!?」
こんにちは、百武です。
「青陵中はどうでしょうか?」というご質問を保護者のみなさんからよくお受けしますが、結論は冒頭の一言になります。
→青陵中は良い学校か?②
→青陵中はよい学校か?③
なぜ、「お子さん次第です」の一言になるかといえば、
青陵中→武雄高校→国公立大学→安定した良い職業
という図式がすでに崩壊しているからです。
こちらの『大学の真の実力 情報公開BOOK 』に下記のデータが掲載されています。
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黄色マーカーは2021年の学部別・学科別の卒業者数、ピンクマーカーは就職者数です。
九州大学 卒業者総数 就職者等数 就職率
文学部 158名 107名 68%
法学部 211名 141名 67%
経済学部 250名 197名 79%
佐賀大学 卒業者総数 就職者等数 就職率
教育学部 118名 108名 92%
芸術デ学部 112名 80名 71%
経済学部 253名 223名 88%
上記のデータが示すように、九州大学や佐賀大学に進学したからと言って、「順風満帆・パラ色の人生」が保証されることはあません。
大学合格は「本当の戦いはこれから」「不確実な競争へ」の単なるスタートでしかありません。
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また、下記グラフが示すように、そもそも武雄高校から国公立大学に合格できるのは定員240名の5割前後(グラフの青とオレンジ)の生徒です。
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武雄高校、国公立大学合格者推移
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また、県立武雄高校には県立青陵中から120名(内進生)と他の市立中学などから120名(外進生)が、毎年、入学します。 しかし、その中から上記の「国公立大学に合格する5割前後の生徒」は青陵中の卒業生がほとんどかといえば、まったく違います。
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上記グラフは平成5年度と6年度の武雄高校3年生のクラス別青陵中生(内進生)の割合(グラフの青]ですが、注目すべきは、中央の3組の理系グレードクラスと4組の文系グレードクラスです。
小学校6年生で適性検査試験に合格し、中高一貫教育の青陵中学校で学んだ生徒たちの教育が「正解」であれば、3組と4組の生徒はほとんどが青陵中生になるべきだと思いますが、実際にはそのような結果にはなっていません。
また、青陵中学校出身者は平成5年度が107名、6年度が109名しかおらず、5年前に青陵中に入学した生徒の1割前後が別の学校に進学・転校しています。
青陵中学での3年間で大きな学力差がつき、また、武雄高校入学後にも青陵中を不合格になった他中学出身者から「下剋上」を食らうことになります。
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さて、話を戻して・・・
ただ、「お子さん次第です」と言われても、判断がなかなか難しい保護者やお子さんもいらっしゃると思いますので、いくつかのデータを示しながら、お話したいと思います。
ちなみに、2007年青陵中開校以来、百武塾からも27名の塾生が国公立大学に入学していますが(2024年3月現在)、内訳は以下のようになっています。
15名 青陵中→武雄高校→国公立大学
12名 市立中学校→高校普通科(武雄・白石・鹿島)→国公立大学
では、学習面、進路、大学受験、将来、生徒の特徴などの項目ごとに見ていきたいと思います。→②につづく
2025年01月01日
謹賀新年2025
世界を見渡していると「日本に生まれただけでラッキー!」と思える近年ですが、1日でも1時間でも1秒でも早く世界の各地に平和な日々が戻ることを願ってやみません。
さて、「秒進分歩」で進化し続ける生成AI、自動運転、ロボット、遺伝子編集、メタバース・VR・AR、核融合技術、IPコンテンツビジネス。今後、作業的仕事はもちろん、多くの「ホワイトカラー」的な仕事、さらに創造的な仕事でさえも世界中で減り続けると言われています。
塾生のみなさんが大人になる10年・20年後、「未来の仕事」はどのようになっているのでしょうか? 答えは誰にもわかりません。
しかし、2つだけわかっていることがあります。それは、
1.今の常識が通用しない世界がやって来る!
2.人生を愉快に過ごすため、自分自身のWill(したいこと)とCan(できること)とMust(すべきこと)が重なるように、自身の人生を時代に合わせて真剣に考え続ける必要がある!
ぜひ、ご家族でお正月に「未来」を考えていただければと思います!
2024年12月17日
『ホワイトカラー消滅 私たちは働き方をどう変えるべきか』
社会人を対象に書かれた本ですが、就職活動中の学生はもちろん、高校生にもぜひ読んで欲しいと思います。そして、高校生を進路指導する先生方も必読です
序章 労働力消滅、ふたたび
・10年前にも指摘していた人手不足の実態
・迫りくる労働供給制約社会とホワイトカラーの人余り
・付加価値労働生産性の大幅な押し上げしか道はない
・「失われた30年」日本社会が選択したのは賃金よりも雇用
・デフレ的安定の代償として得たものとは……「停滞なる安定」の時代
・「デフレ的安定」から「インフレ的均衡」へ変わっていけるか
・低生産性だからこそ伸びしろは大きい──「停滞なる不幸」は回避できる
第1章 グローバル企業は劇的に変わらざるを得ない
・グローバル産業の現状分析
・今どき先進国企業がグローバル経済圏で稼ぐ選択肢
・グローバル経済圏でも高付加価値モデルでやっていける道筋とは?
・あらゆる産業で「ややこしさ」に日本の勝ち筋がある
・グローバル産業は雇用の量よりも質、グローバルクラスの質を目指せ
・生成AIの破壊性と深まる苦悩
・「漫然とホワイトカラー」はどのように淘汰されるか
・AI革命でホワイトカラーの仕事がブルシットジョブ化する
・グローバル産業におけるDX・CXの現状
・CXを実現するための「新憲法草案」
・Xの時代はアンラーンの時代
第2章 ローカル経済で確実に進む「人事不足クライシス」
・エッセンシャルワーカーとは何か
・これからの新たな「分厚い中産階級」創造に向けて
・エッセンシャルワーカーはすでに社会の大半を占めている
・「逃げ恥」から見えてくるリアルな社会構成
・人手不足の実態と労働運動大転換の必要性職種別に労働需給の未来を読み解く
・社会インフラ部門──道路維持は徐々に困難に
・需要密度を維持するという解決法──コンパクト&ネットワーク
・農業・水産業・食品部門──ブランディングに活路を見出せる
・きれいごとで農業の担い手は増えない──さらば「やりがい搾取」産業
・農地政策が抱える矛盾は人口減少でさらに深まる
・シン「食」産業の創造的再構築──「株式会社性悪説」から決別せよ
・医療・社会福祉部門──ここでも付加価値労働生産性が決定的な課題に
・株式会社的な仕組みを公共財領域で機能させる工夫
・ローカル経済の現状分析──新陳代謝は著しく停滞
・グローバルなローカル産業こそがこれからの基幹産業
・中小企業の賃金問題、価格転嫁論だけに逃げるな
・ローカルとグローバルに序列はない
第3章 エッセンシャルワーカーを「アドバンスト」にする
・エッセンシャルワーカーをアドバンスト・エッセンシャルワーカーに
・10年前は「全大学人の敵」だったが……
・ローカル経済圏で働く人々にとって高等教育機関は極めて重要
・資格制度の充実も重要
・メインエンジンは経営者
・DXによる付加価値労働生産性向上は誰でも可能な時代
・まずは経営の解像度を上げること──みちのりグループでは
・経営者のトランスフォーメーションとCX、DXは三位一体
・ローカル型産業とDXの相性はいいのだが……
・今どき人手不足倒産が働く人々をアドバンストにする理由
・新陳代謝を阻む制度的要因を取り除け
・最低賃金の引き上げはなぜ重要か
・東京の一極集中が日本を豊かにしない理由
・「昭和」が色濃く残っていることの問題
第4章 悩めるホワイトカラーとその予備軍への処方箋
・ 根本的処方箋は自己トランスフォーメーション──シン「実学のすゝめ」
・「スキリング」と「リスキリング」──何が現代の実学か?
・「基礎編」を学ぶ要諦
・ビジネスパースンとして必要な数理的言語能力
・リベラルアーツの本質
・「応用編」を育む要諦
・リスキリングにまつわる誤解と問題点
・ゲームチェンジングゲームが求める真のリスキリングとは
・「カフェテリア方式」リスキリングの問題点
・リスキリングは企業の責任か、個人の責任か
・否応なく真剣にリスキリングを行った人たち
・ホワイトカラーの生き残り策──経営職かアドバンスト現場人材か
・まずは自らの「付加価値」力の自己検証から
・ホワイトカラー自問自答の方法
・経営の最小単位は、自分自身の人生であるはず
・20代、今どき「Gの世界」でも通用する力を身につける逆説的アプローチ
・30代のキャリア戦略──WILLとCANとMUSTの観点から考える
・新しい時代において従業員と企業がともにハッピーになるためには
・中堅人材にもローカルシフトのムーブメントが始まりつつある
・フラットな感覚ならではの可能性
・40代以上、能力やスキルをリアルに棚卸しできるか
第5章 日本再生への20の提言
国、組織、個人のレベルでの再生の要諦は何か
①歴史的な大転換期の認識を共有せよ
②豊かなローカル、強いグローバルの国を目指せ
③人口減少の危機的局面を国と社会の再生の梃子とせよ
④シン列島改造論のすゝめ──人口8000万人時代に「多極集住」で「密度の経済性」を実現できる国づくりを
⑤あらゆるレベルで新陳代謝を加速せよ
⑥古来の伝統からつながる江戸の庶民の世界観、社会観、人間観を再評価せよ
⑦「複雑性」「ややこしさ」が勝負、シン基幹産業が何かを間違えるな
⑧昭和の身分制を破壊せよ
⑨昭和なホワイトカラー身分による中間搾取を排除せよ
⑩シン「学問のすゝめ」──ローカル才能、グローバル才能それぞれに可能性をフル追求できる教育システムを
⑪カイシャ共助型から社会共助型セーフティネットへ
⑫国も企業も付加価値労働生産性向上の一本勝負!
⑬人的資本の強化に向けて労働市場の改革を急げ
⑭チープレーバー移入型ではない国際的な多様化を
⑮アドバンスト現場人材の時代、シン「分厚い中間層」づくりを急げ
⑯労働所得と資産所得のリバランスを進めよ
⑰超長期的な人口戦略を遂行せよ
⑱為政者、リーダーは日本社会の変革特性を理解せよ
⑲アンラーンとラーン、スキリングとリスキリングを国民運動へ
⑳青年はローカルをめざす──ローカル経済圏をサブスリー経済圏に!
おわりに 「ややこしさ」に強い「両利きの国」への大転換を急げ