2010年07月20日

過干渉な日本社会

カンブリア宮殿

こんにちは。

脳科学者である茂木健一郎さんのクオリア日記におもしろいエントリーがありました。

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 過干渉な保護者の下で育った子どもは、その限りにおいて能力を発揮するに至る。保護者が設定した文脈の中で、「よい子」として力を発揮できる。その文脈は、それなりの社会性、利他性を持っているだろう。子どものことを思わない保護者はいない。保護者が理解した限りにおける世の中の仕組み、価値観を反映して、子どもの脳は育つ。しかし、その能力は、あくまでもある特定の文脈を前提にしたものに過ぎない。

 子どもの頃から「受験」に追い立てられ、「一流大学」から「一流企業」へと進む。そのような日本のシステムに乗った「良い子」は、結局、文脈限定の能力を身につけているに過ぎない。「組織」や「肩書き」を自らの存在意義とするということは、能動性を前提にした「安全基地」の思想からは最も遠いことである。「組織」や「肩書き」によって自らを支えるということは、すなわち、一生「過干渉」な保護者の下で過ごすようなものである。

 「組織」の一員として、自らの行動の自由、ダイナミック・レンジをあらかじめ縛ってしまう。「肩書き」に「ふさわしい」行動を取ろうとするあまり、自らの自由を縛ってしまう。「過干渉」な保護者の下で、子どもの自由がいわば「窒息」するのと同じように、文脈過多な日本の社会は、その構成員の能動性、自主性を奪う。

 子どもの頃から受験に追い立てられ、「履歴書に穴が開いてはいけない」とばかり「組織」という「過干渉」な鎖に縛り付けられる日本人は、一人で不確実性に向き合うために必要な「確実性」を自らの中に涵養する機会を奪われている。日本人は、自分の中に「安全基地」を培うことができていない。結論として、「大人」になることができていないのである。
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こんなエントリーを読むと、俗に言う進学校で大学受験に向けて勉強に励んでいる(励まされている?)生徒たちがとても心配になります。

「大人」への一歩に通じ、進路決定にも役立つアルバイトも進学校では禁止されているとのことで、「いつまで保育器に入れておくの?」という感じです。

進路決定などは本来、

 希望の仕事→仕事に必要な学科・学部(→入学希望大学)→文系・理系の選択

だと思うのですが、仕事・仕事場・職業・職場・職種や「お金を稼ぐ大変さ」を知る機会がとても少ないように思います。

また、昨夜、カンブリア宮殿に登場したソフトバンク孫正義社長ではないですが、「医者になって人の命を救いたい!」とか「安全・安心な農作物を提供したい!」とか「世の中に役立つソフトを開発したい!」などなど、生きる上での「理念」を考える機会がないように思います。

過干渉な日本社会

勉強はとても大切なのですが、せっかくの夏休みだからこそ、いろいろな体験をして欲しいと思います!



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Posted by 百武塾 at 10:41│Comments(0)レッスン日記
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