2012年08月22日

グローバルな戦い

グローバルな戦い
               <大阪大学リーディング大学院>

こんにちは。

以前にも書きました日経新聞のコラム「大学開国」ですが、昨日(2012/8/21)からその「第4部 沈む大学院」がスタートしました。

タイトルからして悲しくなります・・・(^_^;)。

コラムを読むともっと悲しくなります・・・(T_T)。

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大学開国 

第4部 沈む大学院(2)

学生縛る「研究室」 徒弟制度、視野広がらず

2012/8/22付日本経済新聞 朝刊


 「学生の囲い込みが甚だしく、流動性がない」。教育再生会議の座長などを歴任、大学院改革を提言してきた理化学研究所理事長の野依良治氏は日本の大学院の現状に苦言を呈する。学部段階から学生の専攻が決まってしまう“徒弟制度”を脱し切れていないからだ。


文理融合で授業

文理融合の人材育成を目指す大阪大のリーディング大学院(大阪府吹田市)
 野依氏は40年以上前、米ハーバード大に博士研究員として採用された。「私の所には年間100人の研究者から申し込みが来る」。後にノーベル化学賞を受賞する指導教授はこともなげに言ったという。

 様々な国籍の十数人の博士研究員が切磋琢磨(せっさたくま)する研究現場で人脈も培った。「英語もうまくなかった日本の若者をあえて取ったのは、教授や研究員にとって一番刺激になると思ったからだろう」。野依氏は海外経験も生かし、2001年にノーベル化学賞を受賞した。

 学生が様々な専攻の教員から指導を受ける「コースワーク」が定着し、多様な人材を受け入れて競わせる米国。日本の大学院は伝統的に学部段階から学生が特定の研究室に所属する傾向が強い。

 中央教育審議会大学院部会の有信睦弘部会長は「日本の大学院生は早い時期に研究テーマが絞られ、多様な進路が開けていない」と転換を求める。大学院生を受け入れる産業界からも「専門しかできない人材」への批判は根強い。

 こうした問題を解決しようと、今春誕生したのが「リーディング大学院」だ。産官学のリーダー養成を目指し、修士と博士に分かれる大学院を5年一貫とし、専門の枠を超えたコースワークによる「文理融合」授業で博士を育てるプログラムで、初年度は13大学21件が採択された。

 「プレゼントは経済学的に見て無駄なのか」「家電量販店の安さのカラクリは」。7月下旬、大阪大で約20人が身近な話題と経済を結びつける「経済学的思考法」の授業に臨んだ。同大のリーディング大学院「超域イノベーション博士課程プログラム」の1期生だ。


伝える力鍛える

 博士前期課程の入学者約2千人から選抜された1期生20人は文学や工学、医学など10研究科に所属し、専攻はばらばら。世界史や英語、マーケティングなど多彩な授業を毎週受講する。経済を担当した大竹文雄教授は「これまでの大学院生は異分野の相手に研究内容を伝える能力が欠けていた。いい機会だ」と手応えを口にする。

 アルバイトで学業に支障が出ないようにと奨励金まで支給、意欲の高い学生の奮闘が続くが、冷ややかな声もある。

 「そんなところに行ったら、中途半端になるよ」

 1期生の理系男子学生(23)は、所属する研究室の教員にこんな言葉をかけられた。暗に研究者として将来大学に残る道を閉ざすかのような発言に「多少の不安を感じた」という。リーディング大学院の多くは学生が特定の専攻に足場を置くため、担当教員らの影響を受けやすい状況に変わりはない。

 筑波大大学研究センターの小林信一教授は「学生に他分野を学ばせる必要性を感じない教員は依然多い。研究を支える“道具”を失いたくないのだろう」と指摘する。「日本の大学院の新たなモデル」(有信部会長)と期待されるリーディング大学院も慣習を打破できなければ、絵に描いた餅になりかねない。

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佐々木俊尚さんのコラム
 
 日本企業は本当にグローバル人材を求めているのか

にも書かれていますが、大企業や日本の大学では、変化を嫌い多様性を望まない人々(年長者?)がまだまだ多いようです。

大学・学部・学科選びでは細心の注意を払わないといけませんね。(>_<)



タグ :大学院留学

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Posted by 百武塾 at 14:14│Comments(0)進路
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