2008年12月12日

お子さんの進路

会社が放り出したい人 1億積んでも欲しい人

学歴があって学習意欲がない人間は最悪

こんにちは。

よく、学習塾には「兄弟割引」というのがありますが、私の塾には「親子割引」というのもあります。

最初は親であるお母さんに英語や英会話を勉強していただいていました。
でも、途中から「娘にも英語を習わせたい」とか「息子にも英語やパソコンを習わせたい」ということで、レッスンを受けていただいています。

そんなことで、生徒さんだけではなくお母さん方にも時々お話するのが、今勉強していただいている生徒さんが就職する、もしくは仕事をしているであろう、10年後・20年後のお話です。

今、アメリカでは「ビッグ・スリー」と呼ばれて3大自動車会社、ゼネラル・モータースフォードクライスラーが倒産の危機に瀕しています。

例えて言えば、「日本のトヨタ、ホンダ、日産が同時に倒産しそうな状況」ということですから、いかに“大事件”かが分かります。

救済策が決まり、年内の倒産は何とか免れそうです。 でも、来年1月20日にはオバマ新大統領が誕生しますので、その後に「潰す」のではないかとも言われています。

アメリカ3大自動車会社に関連して働いている人は、400万人とも600万人とも言われていますので、3社が倒産するとアメリカの景気はさらに後退するでしょう。

そして、世界的な金融危機や景気後退により、日本の自動車産業でも減産が相次ぎ、九州の工場でも派遣社員の契約解除や打ち切りが相次いでいます。

また、今日現在、今年の上場企業の倒産は30件となっていて、戦後最多を更新しています。

さて、今でさえこのような状況ですので、10年後・20年後にはより一層「大企業だから安心」とか「東大を卒業すれば安心」などとは言えない時代になっていることでしょう。

このような社会情勢を踏まえて生徒さんやお母さん方にお話しているのは、

10年後・20年後には有名大学を出たからと言って、何も保証されません。

学歴があってもなくても、常に新しいことを学び、その学んだことを使いこなして、新しい変化を起こしていける人が、どのような職場で必要とされます。


という2つです。

そんな私の思いを「そう、その通り!」とおもしろおかしく的確に言い表してくれているのが、経営コンサルタントとしてテレビや雑誌にもよく登場する堀紘一さん(東大法学部卒、ハーバード大学MBA)が書かれた『会社が放り出したい人 1億円積んでも欲しい人』です。

560円の文庫本ですが、文章もおもしろいので、一気に読むことが出来ます。

目次からおもしろかった項目を抜き出してみます。

序章 人生の計画が狂ったエリートたち
*年収が6割になってしまったエリート行員
*行内報に「バカをみた」と書いたエリート行員

第1章 いままで出世した人・しなかった人
*日本は特殊な民主主義社会である
*会社の経費で飲み食いするのは日本の経営者だけ
*「仕事ができる社員は嫌われる」サラリーマン文化
*取締役になれる人・決してなれない人
*くだらない「社内力学」はいずれ消滅する
*企業も人材をシビアに選別しだした

第2章 会社が欲しい人・いらない人
*なぜリクルート出身者は成功するのか
*なぜソニーは早慶のOBばかりになったか
*トヨタや松下電器を飛び出した人は成功するか
*生殺与奪権を握られている人・いない人
*経営者がほしい希少価値のある社員
*経営者が放り出したい有害な社員
*チャレンジに水をさす人は経営者の敵

第3章 これから出世する人・しない人
*自分に動力がない人は前に進めない時代
*学歴があって学習意欲がない人間は最悪
*不満を口にするだけでは何も変わらない

第4章 一億円プレーヤーになるための訓練
*大企業には意外と「ヒト」がいない
*MBAを取っても経営者にはなれない
*成長しない会社の空気はよどんでいる
*顧客を増やすためには「創意工夫」しかない
*テリヤキバーガーは誰がつくったか

第5章 リーダーシップを鍛える方法
*上質な欲望をもっているビジネスパーソンもいる
*リーダーとして大成する人・しない人
*二つの「トク」があれば人が集まる
*最大の仕事は「人を育てる」こと

なかなか刺激的(?)な項目が並んでいると思いませんか?

そして第2章の「経営者が放り出したい有害な社員」の項目では、以下のように書かれています。
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マイナス思考の人=どうせうまくいかないよ、前の社長も同じようなことをやってみたけどダメだったじゃないか。××社も二年前に同じことをやって失敗している等々と、何でもかんdめおマイナス点を挙げてネガティブに考える。頭のなかだけマイナス思考ならまだよいが、思ったことを口に出すから手におえない。

これでは周りがみんな元気を失ってしまう。これから力を合わせて仕事に取り組もうとしているときに、周囲に不安感や恐怖感をいだかせるような社員は、早く辞めてもらうにかぎる。

おもしろいもので、こういうマイナス思考の人には、なぜか共通点がある。
高学歴で頭がいい。頭がいいから、いろいろな欠点や不安、リスクが目につく。しかし、そういう人間はビジネスマンより学者や評論家になったほうがいい。職を間違えたのである。

ビジネスは、失敗を恐れていたら、けっしていい成果は出ない。たとえ彼の意見が正しくて、十中八九失敗することが分かっていても、失敗から学んで次に勝つのがビジネスでもある

ユニクロ(ファーストリテイリング)の創業者である柳井正氏が『一勝九敗』(新潮社)という本を出して話題を呼んだが、これこそビジネスの本質である。十回負けても、一勝すれば会社は生き残る。

プロ野球であれば、勝率六割ぐらいの成績をのこさないと優勝できない。なぜなら、プロ野球選手はゼロサムゲームの勝負だからだ。全球団の勝ちゲームの数(+)と負けゲームの数(-)を明日と必ずゼロになるのである。

しかし、ビジネスは違う。たった一つ売れる商品があれば、売れない商品が百個あっても、それでカバーできるのである。「頭のいい人」はこの本質が理解できない。

現に、成功している会社を研究してみると、ソニーや本田をはじめ、優良企業ほど過去にいたくさんの失敗をしている。いちばん失敗している会社が、いちばん成功しているといってもいいくらいだ。
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最近、とても元気なソフトバンク孫正義さんやアップルスティーブ・ジョブズ、身近なところでは、前武雄市長である樋渡さんなどは当に「自分に動力のある人」で「会社が欲しい人」の代表例ですね。

お子さんの進路や将来を考える上で、ぜひ、お読みいただきたい一冊です。



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Posted by 百武塾 at 12:04│Comments(1)進路
この記事へのコメント
はじめまして。私は「武雄市民物語」http://shimin2008.exblog.jp/というブログを書いております。
ただいま、当ブログにて「武雄のブロガー交流会」という企画をしております。武雄在住のブロガーの方、武雄外でも武雄のことをよく書かれているブロガーの方、ブログは持たないけど、よくコメントを書いて頂ける方々が、顔を合わせ交流を図るというものです。開催日時は、1月25日午後6時頃からと考えています。場所は未定ですが、よろしければ参加の検討をお願い致します。場所の設定の関係から15日までにお返事頂ければと思います。突然の提案申し訳ありませんが、ご検討の程、宜しくお願いします。
Posted by 武雄人(たけおんちゅ) at 2009年01月11日 17:41
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